随分と時間が空きましたが、広海さんを訪問した時の
記事の続きをアップします。
お待たせしてすいません。
前回はしごき染めのところまででした。
今回は、蒸しに入るところから。
広海さんには幾つかの蒸し機があります。
生地や工程によって使い分けておられるようです。
薄色や濃い色やインクジェットなどなど、これも職人技です。
ちなみに古今の着物を蒸すときは、特に温度に細心の注意が必要なようです。
時間も少しでも狂うと失敗するということです。
古今の着物の蒸室はこれです。
熱い中、事故が起こらぬよう、蒸しが失敗しないように作業されます。
見学中は邪魔しないようにと、少し緊張します。
その後、水洗です。
ここでも生地によって、作業が変わります。
プールで洗う方法。
京都市内でも場所によって、水質が変わるようでこの辺りの水が着物の水洗に向いているそうです。
ロール式の機械で洗う方法。
ロール式の機械で、ゆっくりゆっくり洗っていきます。何回も何回も水洗いをします。
30mくらいはあると思います。最後は二階に上がって、仕上っていきます。
それ以外にも、揮発液で洗ったりと色々な機械がありました。
見ごたえありました。
ただひとつ思うこと。
広海さんのように「加工」の仕事をされていると、ものは残らない。。。。
大切な大切な仕事であるのに、形としては残らない。。。。
(もちろん技術は残りますが・・・・)
そう思うと、私たちのように「物を作る」仕事をしていることはとても幸せです。
私が描いて、六谷先生が彫られ、古今の職人が型置きをした物。
目に見えるのは、うれしいです。
着物が出来上がるまでの「加工」の仕事をなさっておられる方々と力を合わせて
今からもいい物を作っていきたいと思います。